バセドウ病

 

【バセドウ病について】
甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。この病気は、甲状腺臓器の特異性な自己免疫疾患のひとつで、1000人中2~6人いると言われており、女性患者が男性患者より5倍と多いのも特徴としてあげられます。
甲状腺機能異常があると、全身にさまざまな症状が現れます。


まず新陳代謝が活発になり、その為に常にジョギングしているような状態で脈拍が速く、汗が多く、暑がりで疲れやすくなる、37.5℃前後の微熱といった症状が現れます。
精神的には、落ち着きが無く、いらいら感や不眠になり、食欲が増しても体重が減ってしまう人やむしろ食べ過ぎて体重が増えてしまう人もいます。
顔つきや目つきがきつくなったり、眼が出てくる眼球突出はバセドウ病の代表的な症状ですが、眼球突出をきたす割合は3割程度です。特に喫煙している方に多く禁煙することが重要です。


甲状腺腫とは、甲状腺が腫れて大きくなっていることで、甲状腺の腫れは首が太くなってきて気づきます。
しかし、自分の顔は毎日鏡で見ているのにその下の首は、かなり腫大しても気づかない事があります。
又、60歳以上の高齢者は甲状腺が腫れにくい為、甲状腺疾患が見逃される理由の1つだと思われます。


●バセドウ病はなぜ起きるのか
体質の変化により、自分の甲状線を異物とみなして、甲状腺の細胞の表面にあるTSHレセプターに対する自己抗体(TSHレセプター抗体、TRAb)が産生されます。このTRAb が甲状腺のTSHレセプターにくっつくと常に甲状腺を刺激する為に、甲状腺ホルモンを作り続けるバセドウ病になると考えられています。

●バセドウ病の症状
甲状腺ホルモンが必要量より大量に産生され、血液中に多く流れ全身の新陳代謝を活発にさせる為に以下のような様々な症状が現れます。

 

〈全身症状〉暑がり、疲れやすい、だるい、体重減少、又は体重増加
〈体温〉→微熱
〈顔つき〉目つきがきつい、眼球突出、複視、

〈首〉→甲状腺腫大
〈神経・精神症状〉イライラ感、落ち着かない、集中力低下、不眠
〈循環器症状〉動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れ
〈消化器症状〉食欲亢進、食欲低下、口渇、軟便、排便回数増加
〈皮膚〉発汗、脱毛、かゆみ、皮膚が黒くなる
〈筋骨症状〉脱力感、筋力低下、骨粗鬆症、手足のふるえ、周期性四肢麻痺(男性のみ)
〈月経〉月経不順、無月経、不妊
〈血液値〉コレステロール低下、血糖上昇、血圧上昇、肝障害


甲状腺の働きが活発になり過ぎるバセドウ病の治療は、甲状腺ホルモンが過剰につくられないようするものです。
バセドウ病の治療方法には、抗甲状腺剤の内服、手術(甲状腺亜全摘術)、アイソトープ治療(放射性ヨード内服)の3つの治療法がありますが、病気の程度やライフスタイルによって選択は異なります。
はじめは抗甲状腺剤を服用し、個人差や病気の状態など経過を見て治療法を決めます。薬は長期服用する必要があるので、それが困難な場合は手術やアイソトープ治療も考えます。
どの治療法を選ぶにしても、ポイントは甲状腺ホルモンを正常な量にコントロールする事です。そして、甲状腺ホルモン量が正常になれば健康な人と変わらない生活ができます。



抗甲状腺剤の内科療法
病気の軽い人、甲状腺腫が小さい人などですが1年数年間の服用が必要です。

長所
外来治療・治療効果が可逆性。妊娠・授乳が可能 。

短所
治療期間が長い。實解率が低い。 副作用(白血球減少症、薬疹)

適応
年齢の制限はない。甲状腺腫の小さい人、薬を規則的に服用できる人。