腰痛から始まる病気


成人人口の約9%は慢性痛に悩まされているといわれています。なかでも腰、下肢痛を訴え整形外科を受診する患者さんは、社会の高齢化に伴って年々増加しています。腰痛は人生のうち85%以上の人が経験するともいわれています。

腰痛が起こる直接的原因はさまざまですが「骨格の歪み」「筋力の低下」および「血行不良」が、腰痛の三大原因といわれています。
前かがみで不自然な姿勢を長時間続けれたり、いつも片側にばかり重い荷物を掛けたりして骨格が歪めば腰痛が起こります。
運動不足で、筋力が低下すれば腰痛がおこります。
更に、窮屈な下着を着用したり、肥りすぎていると血液の循環が悪くなり、腰痛になります。
また、最近ではストレスが原因で痛み出すケースもあります。
腰痛を伴う病気や疾患は無数ともいえるほど数多くのものが存在します。腰痛の分類方法も多岐にわたり、現状では定着した分類法は存在しない状態です。
そこで、おもな腰痛症をとりあげてみました。どの様な病疾患があるか、またどんな症状か確認される際の参考にしてください。


【主な腰痛症の種類】


腰痛症(ようつうしょう)
腰痛の中でも最も多い腰痛です。 病院で詳しく検査をしても、これといった原因が見つからない慢性の腰痛に対して下される診断名です。腰痛症を「腰椎症」と呼称する場合もあります。 一般的に、日常生活での不良姿勢による腰の筋肉の疲労や、腰椎(ようつい)周囲の筋力が弱く、適切な姿勢が保持できなかったり、腰椎周囲の筋肉に過度の負担がかかることが、原因とされています。


腰椎分離症(ようついぶんりしょう)、腰椎すべり症(ようついすべりしょう)
腰を反るう
な動きをすると痛みが出て、運動をすると悪化します。 ひどくなるとお尻や足の方へ痛みやしびれが出てきます。
腰椎分離症は疲労骨折の一種で、背骨の一部分に亀裂が走っている状態をいいます。運動をしていた人にはよく見られる状態で、レントゲン撮影すると骨折線が見られます。直接強い外力が加わって骨折に至るというよりも、気がついたら分離症になっていたという方がほとんどだそうです。その為、何となく腰が痛いということで放置されて慢性化してしまっていることもよくみられます。

腰椎すべり症は、背骨の一部分が前側(おなか側)に移動してしまっている状態です。分離症に続いて起こるタイプと、分離症を伴わないタイプがあります。多くの場合、第5腰椎が前側にすべっていて、触ると一部分だけへこんだように感じられます。
腰は正常でも前彎といい、前側に緩やかにカーブしているのですが、このカーブがきつくなり腰が反り返っているような姿勢の人にはよく見られます。


坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
腰やおしりの痛みや、太ももの裏や足先にかけてのしびれです。
坐骨神経は腰椎の下部から出て、お尻を通り足に向かう神経です。坐骨神経がどこかで圧さ
れて起こる症状です。坐骨神経は、他の神経に比べて太い神経で、鉛筆ほどの太さがあります。
坐骨神経の原因となるものは、梨状筋症候群、椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、椎間関節症候群などがあります。


梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
梨状筋はお尻を横切るようについている筋肉です。
この筋肉は骨盤から股関節に向かってついており、梨状筋のすぐ下には坐骨神経が走っています。 この梨状筋が異常な緊張状態になると、坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛を起こします。
原因としては、お尻のけが(尻もちなど)、急激な運動、長時間の座った姿勢、長時間の運転、足を組む癖、お尻のポケットに財布などを入れる習慣、骨盤の歪み、股関節の疾患などがあります。


腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア)
腰痛と、下肢の痛みやしびれが主な症状です。 神経根への刺激症状が強いと痛みのため、立位にて腰椎の前屈が困難となります。また、ヘルニアによる神経根への刺激を回避させようと脊柱を側方へ傾ける姿勢になります。これらの痛みは、背中をややまるめる姿勢をとると軽快します。同様に、仰向けで膝を伸ばしたまま下肢全体を持ち上げると、ある角度以上の挙上が困難になります。
通常、第4/5腰椎間のヘルニアでは第5腰神経が圧迫されるため、下腿外側から母趾にしびれや痛みを感じ、母趾の背屈(手前側に反らせる動作)ができにくくなります。
第5腰椎/第1仙椎間のヘルニアでは第1仙骨神経が圧迫されるため、足背外側と足底にしびれや痛みを感じ、足関節の底屈(つま先立ち)ができにくくなります。一方、脊柱管の中心にある馬尾(ばび)が強く圧迫された場合には、肛門周囲のしびれや痛みや、時には排尿困難、便秘を生じます。 加齢に伴う椎間板の老化、重量物挙上・スポーツ、姿勢の悪さ、骨盤の歪み、遺伝性、精神的ストレスが主な原因と言われています。


脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
脊柱管は背骨の中にあり、脊髄神経を守っている重要なトンネルです。 脊柱管が何らかの原因で狭くなると、足の痛みやしびれを起こす事があります。歩いているとしびれが悪化し、休むとしびれは軽くなります。間欠跛行(かんけつせいはこう)といいます。 脊柱管狭窄症では腰を反らすと悪化し、前屈すると楽になるという特徴的な病態があります。これは腰を反らすと脊柱管は狭くなり神経への圧迫が強くなるためで、前屈すると脊柱管は広がります。しびれが強くなると、足の力が入れにくくなり、排尿や排便のコントロールが出来なくなることもあります。
原因は、加齢(変形性関節症など)、脊柱管内部の靱帯が厚くなる、脊椎分離症などがあります。


椎間関節症候群 (ついかんかんせつしょうこうぐん)
足の付け根、お尻、足などに痛みやしびれが出ます。腰を反らすような動作をすると痛みが強くなります。ひどい状態だと、咳やくしゃみで腰に響きます。椎間関節を痛めると、痛めている部分である腰に痛みが起こるのですが、それと同時に足の付け根やお尻、足などに痛みやしびれが走ることがあります。これは関連痛という現象で、神経が圧迫されていないのに神経痛のような状態になるという、ある種の神経の錯覚現象と考えられています。
椎間関節というのは、背骨と背骨の間にある関節です。椎間関節症候群は、椎間関節に圧迫力が加わることで関節に痛みを起こしてしまう状態です。椎間関節は、腰を後ろに反らしたときに圧迫されるので、腰が反り返るような形で強い衝撃が加わった時に、椎間関節を痛めやすいです。
腰は、正常であれば、緩やかに前側にカーブしています(前彎といいます)。このカーブが大きくなっているような状態だと慢性的に腰が反り返っているような状態で負担がかかっているため、椎間関節を痛めてしまうことがよく見られます。

 

ぎっくり腰(急性腰痛症)(きゅうせいようつうしょう)
一般的に重いものを持った時や、急に体をねじったりした時におこる急性の腰痛の総称です。正しくは「急性腰痛症」とされています。
原因は腰や骨盤の筋肉、筋膜、じん帯、軟骨(軟部組織)の損傷です。特に多いのが骨盤の仙骨と腸骨の2つの骨からなる仙腸関節に付着する、軟部組織の損傷により起こるぎっくり腰です。 突然腰が痛くなったら全部ぎっくり腰か?と思うのは早合点で、他の腰痛同様、怖い病気が隠されていることもあるので注意してください。
注意していただきたいのは、過信して放置してしまうことです。 痛みが続く場合は、必ず病院の診察を受けてください。


【腰痛を防ぐには】
腰痛予防のために最も大事なことは、正しい姿勢を保つことなのです。 姿勢が悪い人は腰を痛めやすく、腰が痛くなると正しい姿勢を保てなくなるためにより腰に負担をかけることになり、腰痛が悪化してしまうという傾向にあります。
ベルトやコルセットをはじめ、さまざまな予防法や治療法がありますが、基本となる正しい姿勢を保つことができなければ完全に治療することは困難なため、姿勢の矯正は非常に重要になるのです。
人の身体には、360くらいのツボがあるといわれています。 さまざまな症状を緩和させる効果が期待できる細胞改善療法はツボを正確に捉える治療法です。 特に、筋肉の疲労が原因の腰痛には効果的ですので、筋肉疲労につながる身体の疲れを感じやすい方で腰痛に悩んでいるという方は、ぜひ試してみるとよいでしょう。


ツボのいくつか具体的にご紹介します。

 

その1. ヒップの上ベルトをするライン上にある背骨から指2本分外側にある大腸兪(だいちょうゆ)というツボは、腰の痛みの他、坐骨神経痛や大腸、小腸の疾患に効果的なツボです。
その2. 手の甲の人さし指と中指の間、そして小指と薬指の間を起点に上にラインを描き、骨が交わるところに、腰腿点(ようたいてん)というツボがあります。このツボは脳のバランスを取るところとつながっているので、骨盤を整えてくれます。 手にあるツボなら、仕事や勉強の合間、ちょっとした空き時間に押すことができますね。
その3. 足にもたくさんのツボがあります。 たとえば、ヒザの裏のくぼんだところにある横ジワの真ん中に、委中(いちゅう)というツボがあります。 このツボは、腰痛や坐骨神経痛の他、ひざの痛みにも効果があります。